高安定高精度な基準電圧2009年10月07日 00時08分26秒

ひょんなことから仕事になりそうな技術案件で精密な電圧制御が必要なデバイスを調査していました。 ADCやDACを使って高精度な装置モノをつくるときの肝心要の電圧源なのですが、、、 単純に「低ドリフト」「リファレンス」「基準電圧」「高精度」などとググってみてもなかなか良いものが見つからないので、各メーカーのサイトを調べまくり。

やはり老舗のNSは、昔から出していたようです。LM199Aという(7V出力)この型番の温度補償型ツェナーダイオードの温度特性は0.5ppm/℃です。その安定手法はメタルカンのなかには断熱材が入っている気合いものです。 でも、ノイズがちょっと多め(7uV)なのが気になるところです。ツェナーダイオードを割り切ってしまえば全く問題ありませんが。 ちなみに、参考回路のオペアンプは古すぎてカタログダウンロードできませんでした、笑

つぎは、サポートの良いLT社で、LTC6655で温度ドリフトは2ppm/℃とちょっと良くありませんが、ノイズは0.25ppm(10HZ以下)、0.67ppm(1K以下)と結構いい感じです。 ノイズの0.25ppmはリファレンス出力が2.5Vなので、625uVかな。

最後は、最近はいろいろとアナログ系に強いMAXIMのMAX6325で5V出力。 温度ドリフトは1ppm/℃,ノイスは1.5uV(10HZ以下)とこれもいけそうだ。

全体をまとめるにあたり、アンプ側のオフセットとドリフトが気になるところですが、あまり周波数特性や応答性を気にしていないのでチョッパー型でまとめようかと思います。

後はアナデバとTiもいろいろありそうなので探してみましょう。

まぎらわしいデシベルの単位表現2009年09月17日 00時17分54秒

電気・電子・音響関連の分野でよく使われる単位のなかに「デシベル」というのがある。 「デシベル」そのものは絶対的な単位ではなく、ある絶対レベルに対する相対値を人間の感覚に近い対数によって表現するためのものである。

デシベルの考え方についてはググればすぐに見つかるのでここであえて説明しませんが、最近ものわすれが酷くなったのか、あるいは間違えて覚えていたのか・・・・ 整理の為にもう一度まとめてみた。

[dBV]

アナログ系の音声レベルで私が一番多用する単位。単純に1[V]を0dB基準に定めたもの

[dBm]

インピーダンスが600Ω系の音声アナログ回路において、1mWを0dB基準として表現したもの。これは電圧換算すれば、 (電圧の2乗/600)=1mW であるから約0.7746Vrmsで-2.22dBVとなります。0dBm=-2.22dBV はよく使うので覚えていた方が便利です・・・・たぶん覚える気がなくても覚えてます、笑 基本は[mW]に替わる単位ということだけはおさえておくことですね。

あとは、扱う周波数いよって良くあるインピーダンスは、50Ω系であったり、75Ω、300Ωであるので注意が必要です。(低周波と高周波そのほじゃ諸々の仕様で違います)

[dBs]

これはよく間違われるのだが、[dBv]と同じです。この“v”は大文字ではなく、小文字のvであるので間違えやすかったから“s”を使う様になった。 何を基準にした単位かというと、0dBmの時の電圧値(約0.775V)を0dBとした時の電圧値を表します。 (わたしの頭の中では、dBmであろうが頭のなかで電圧値で扱っているのでどうで良いのですけどね、笑) 但し、混乱してはいけないのは[dBs]はあくまでも電圧の単位であるということです。

[dBSPL]

正直なところ普段あまり使わないので感覚的なものがありません。 基準は、0.0002[Pa]を0dB基準としたときの音圧値です。電話機のハンドセットの規格ではマイクから50cmの距離において、97dBSPLが標準レベルだったりします。

[dBi]

これは無線屋の世界でアンテナの利得を表すときに使います。現実的には完全3次元でみて完全に無指向性のアンテナなんてのは無理なんですが、あったとするとその利得の基準値を0dBiと表します。だから、完全な自由空間にあるダイポールアンテナなどは垂直方向が無指向性で水平面は8の字なので2.14dBiの利得になります。

[dBd]

これは先に説明した[dBi]と同じ考え方でダイポールアンテナの利得を0dBと定めたときの利得表現です。

[dBμ] 無線屋さんが信号の電圧値を表現するとき1μVを0dBμとしてよく使います。注意しなければならないことは、伝送路のインピーダンスと同じ負荷を接続して測定した電圧値と解放状態で測定した電圧値の2つのスタンダードがあり、単位だけでは判別できません。つまりどんな用途や仕向国によって負荷有の電圧値なのか無しの電圧なのか見分ける必要があります。つまり、同じ感度表示の電圧値であっても感度差が倍(6dB)になってしまいます。

さいごに、 [dBm0]

“デービーエムゼロ”と読むんですが、時代おくれの私が知らなかった単位です。 そのそも物理的アナログ量というとそうでもないので仕方がないのかもせれません。

PCM-codec(μlaw)にかかわる開発をしていたときに、換算値がでていたのですが、使用するデバイスの電圧によって換算値がバラバラ。 よく考えればあたりまえなんですが。サイン波を基準にして考えた場合の最大振幅から定義されています。ちなみに、その定義はμlawCODECの場合、扱える最大値は+3.14dBm0です。(a-lawでは3.17dBm0とか)

だから、codecのカタログを見て絶対値の変換量がわからないときは、変換リファレンス電圧と出力電圧最大振幅値から変換時のdBm0値を逆算することもできます。

いやぁぁぁ~、、、まだまだありそうだけど必要なのはこれくらいだから終わりにしよう。

Σデルタも2.5MHzの時代がいつのまに2009年09月16日 00時08分03秒

アナデバから発売されていたΣデルタ型のA/Dコンバータ(型番:AD7760)のサンプリングレートが2.5MH」zとか。(S/Nは100dB確保) そのほかの機能としてはFIRフィルタが入っていてアンチエイリアス対策もしっかりとしている。

ますは、アナデバのサイトに行ってサンプルを取り寄せの手続きを済ませました。

知らない間にこんなに早くなっていたとは・・・・

ガイガーミューラー管に代わって2009年07月16日 22時40分33秒

以前秋月電子のガイガーカウンターをつくって遊んだもののそれっきりでした。 放射線とそれをカウントするガイガーミューラー管の動作原理はそこそこわかったのでそれはそれで良いかな・・・・と。

その後、秋月電子ではガイガーカウンタキットが無くなってしまったので、どうしてかと調べてみたら、この検出管を扱う浜松ホトニクスが製造をしていないとか。 あぁ、このガイガーミューラー管は最後の放出品だったのかとそのときわかりました。

じゃぁそれにかわる部品はというと、 MPPCというのがありました。このような検出も最近はフォトダイオードになっているんですね。

それにしても浜松ホトニクスは他社のマネできないものばかりつくっているので興味深い会社です。 部品が入手できたら実験してみたいですね。

μ-law CODEC(コーデック)の復習2008年12月30日 01時24分32秒

今更なんですが、昔よく使っていたμ-lawコーデックというものを復習を兼ねて動作実験してみました。 変換精度抜きにして、アナログ音声を簡単にPCMデータに符号化・復号化してくれるのでなんかいろいろ使えそうですね。

詳細はこちらへhttp://hima.age.jp/lab/analog/MSM7508.html

5V動作なのにp-pのサチさらない最大振幅電圧が意外にに小さいにが気になるところ(こんなもんだったけかなぁ・・・記憶が薄い)。 でもダイナミックレンジは非線形に圧縮されているのでまず問題ないだろう。

発振器の歪みが大きい2008年10月09日 23時29分11秒

今年の夏に発振器の出力品質を確認したところ、歪んでいるのを発見しました。忙しかったのだあとでメンテをしようとおもいつつ10月に・・・・

久しぶりに発振器(リーダー LAG-125)に火をいれ、波形を確認しながら歪み率を計ったところ0dBV/1KHZで0.08%もある。そして時間の経過とともにサイン波の山の部分が削られたようになり歪みも一気に悪化したりもとに戻ったりと不安定な状態となった。

その後2~3時間エージングを行うと歪み率は0.03%まで向上し安定してきた。 さらに、エージングを続けること十数時間時間経過(朝電源投入し、帰宅後)みると0.02%まで安定かつ向上したのでほぼもとの性能を取り戻したのかなぁ~という状態になりました。

しばらく使っていなかったせいなのか、電解コンがエージングによって機能回復したのかもしれません。次のメンテ修理は未交換の電解コンを中心に行えばよいのかなと。

その後のADCのミスコードの顛末2008年09月10日 00時11分43秒

一旦はADCのミスコードではなく、DACのグリッチもADCの精度に影響を与えていることがわかりました。 特に、DACの出力が7FFから800に変化するときはグリッジのエネルギーも大きいらしく、ADCのサンプリング誤差が数ビットもふらついてしまっていることがわかりました。

これは、試しにDACの動作を停止させるとADCの精度がピタッと良くなるきっとことで確信。なんとかなおしておきたかったのですが、電源のカップリング、パターンによる結合、空中からのかぶり、ADとDAで共用してるVrefの分離・・・・・ 何をしてもそれほど効果がでないので、ちょっとアキラメモードになったときにリニアからも同じセカンドソースで性能向上版がサンプルで届いたので即交換!いとも簡単にADCへの影響が消えてしまいました。

カタログ上のDACのグリッジノイズのエネルギーは同じなのですが、これほど違うとは・・・ それより、こんなにグリッジノイズの大きい古典的なDACを使うな!と叱られそうですが、慣れているICでもあるし、なにしろ今まではDCレベルか音声周波数範囲程度でフィルタを通して使ってましたので気にもしなかったのが、ギリギリの性能を出すところで使うのが大間違いなのでした。

ADCのミスコード2008年06月08日 01時36分33秒

ADC/DA基板をこのところ毎日突っついています。 ADCはアナデバの7482、DAは7541で共に12ビット幅のコンバータです。

評価するのが目的なので、ADCで取り込んだデータをいかに高速でFPGAでDAに転送するだけなのです。

しかし、DAの出力波形を観測すると、汚い発振まじりのサイン波が・・・・ 最初は、DA側のオペアンプの発振だろうといろいろいじってみても変化なし。 それではADC側の入力段か?っとおもって波形を見ると奇麗なサイン波が確認できる。 ADCの入力を見るとノイズ混じりであるがSAR型でサンプル&ホールド回路のスイッチがいつもON/OFFしているのでコレは関係ないだろう・・・

それではDC電圧を注入したら・・・ (実はコレが勘違い&思いこみの始まりでした)

数点ある電圧ポイントで、DAの出力がバタついている・・ それでは、ADCの出力コードはどうなんだろうと、その電圧のときだけ、確かにバタ付きが多い。 コレだ!!とおもいってADCの誤動作だと決めつけてしまったのが運の尽きでした。

こういった誤動作なら、大抵は電源のふらつきが、強力が他の信号線による「かぶり(クロストークともいう)」だろうと徹底的にコンデンサやらシールド、FB挿入、配線強化・・・ すべてやてって見たものの、そでもほとんど効果無し。どれかひとつでも差が出れば足がかり手がかりが掴めるのであるが、梨のつぶてです。

そのほか、SARが動作中(コンパレータ比較動作中)はリード動作などのアクセス、スタート信号の復帰などはアナログ系のかぶりになる可能性があるので、全てそとにズラした。(これも全く効果無し)

ここまで来るともう対策はなささおうなので、試しにFPGAのかかでサイン波データを付くってDAに送ってみたところ・・・ ADCで取得したデータと同じ現象が確認・・・・・

「しまった!」DAのグリッチ対策を忘れている・・・・ DA出力段のOPアンプを使って2次のフィルタを構成して動作させたところかなり改善したのでした。

思いこみによる、発見の遅れの良い例のようなこの一週間なのでした。